心拍変動研究のプロトコール

研究・臨床でどのような点に注意して心拍変動解析による自律神経機能評価測定を行ったらよいか、「今だからこそ心拍変動解析セミナー」・血圧測定方法からまとめてみました。

目次

自律神経機能に影響する因子のコントロール

  1. 対象(Subjects)ー Inclusion criteria
    年齢と性別、性周期
  2. 測定環境
    気温 (湿度、気圧)、照明(ブルーライト、相対色温度)
  3. 測定者へのインストラクション
    喫煙
    食事、アルコール、カフェイン
    運動

全ての用件を満たした完璧なプロトコールは通常困難だよ。
データ取得難しさとプロトコールの完全さのバランスが重要。
容易に取得できるデータなのに、取得環境や条件がコントロールされていないというのは論文審査でチェックされるよ。

心拍変動による自律神経機能評価に影響する因子

  • R波検出 ー Noise、fiducial point
  • 不整脈 ー Exclusion criteria
    心房細動
    期外収縮
    HRF
  • 呼吸
    呼吸数
    呼吸統制

参考:講演:早野順一郎,臨床自律神経機能Forumセミナー_導入編

血圧測定の場合(診察室・外来の血圧測定 測定時の条件)

■診察室・外来の血圧測定 測定時の条件

  • 静かで適当な室温の環境で測定
  • 背もたれつきの椅子に足を組まずに座って数分の安静後測定
  • 測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取を行わない
  • 不整脈
    不整脈では心拍出量の変動とともに血圧が変動するため、高度の不整がある時には、正確な血圧測定は困難
  • 測定のタイミング
    測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取を行わない

■家庭血圧の測定法

  • 測定条件
    a)朝
      起床後1時間以内
      排尿後
      朝の服薬前
      朝食前
      座位 1~2分安静後
    b)晩
      就床前(含飲酒、入浴後)
      座位 1~2分安静後
  • 選択条件
    a)医師の指示により夕食前、夕の服用前、入浴前、飲酒前など
    b)その他適宜自覚症状のある時、休日昼間など、装置によっては深夜睡眠時測定も可

参考:1.血圧の正しい測定法とこれからの診察室血圧,日内会誌100:343~350,2011

目次
閉じる